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溶接機を選ぼう

一概に溶接機といっても電源や溶接方法により様々なタイプがあります。
電源では家庭用100V電源で手軽にできる100Vモデルから、より厚いものが溶接可能な200Vモデルなど。
また、溶接方法では溶接棒を使うタイプから、溶接ワイヤーを使うタイプなどがあります。
それぞれに特徴がありますので、自分の作業環境や溶接する用途に合わせて適切な溶接機を選びましょう!

被覆アーク溶接機

被覆アーク溶接シーン

いわゆる昔からある溶接棒を使う最もスタンダードな溶接機です。
通称「手棒溶接機」とも言います。
溶接棒をホルダーに挟み、都度溶接棒を交換しながら溶接します。
溶接できる素材は、軟鋼(鉄)・ステンレス・鋳物。
被覆アーク溶接機には「交流被覆アーク溶接機」「直流被覆アーク溶接機」があります。

交流被覆アーク溶接機

ホームアークナビプラス

交流の入力電圧の波形を崩さずに降圧し、交流のまま出力する溶接機です。
メリットは内部構造がシンプルな作りとなっているので、比較的安価で壊れにくいです。
逆にデメリットとしては本体が重く、また交流は電気の流れが+と-を往復しているため電源によっては溶接が不安定となったり電圧降下の影響を受けやすかったりします。
交流機には周波数があり、東日本が50Hz、西日本が60Hzとなっていますのでお使いになる地域の周波数にあった溶接機を選びましょう。

直流被覆アーク溶接機

アイマックス120

交流の入力電圧を直流に変換し、さらに高周波の交流にし降圧し、最後に直流で出力する溶接機です。インバータ制御を利用しているためインバータ溶接機とも呼ばれています。
メリットとしては本体が軽く持ち運びが便利で、また直流は電気の流れが常に一定なので安定した溶接が可能です。
逆にデメリットとしては内部構造が複雑なので交流機に比べ高価となります。
ただ、溶接は圧倒的に直流機の方がスムースなので溶接に慣れていない方には直流機をおススメします。
バッテリー溶接機もこの分類に入りますが、最近は上記の溶接機を指すことが多くなっています。

被覆アーク溶接機の基本作業はこちら

半自動溶接機

半自動溶接シーン

半自動溶接機は、溶接棒の代わりにワイヤーを使う溶接機です。
本体にワイヤーをセットし、手元のトリガースイッチを押すとワイヤーが自動で送られ溶接がスタートしますので、溶接が不慣れな方でも比較的容易に溶接ができます。
また、一度ワイヤーをセットしてしまえば溶接棒のように1本ごとに交換する必要がありませんので連続して作業が可能です。
ただ、ワイヤー送給装置などがつくため、価格は被覆アーク溶接機に比べるとやや高くなります。
半自動溶接機は基本、直流となり「直流半自動溶接機」「インバータ半自動溶接機」があります。
また溶接方法として「ノンガス」と「ガス使用」があり、溶接機もノンガス専用、ガス専用、ノンガス/ガス兼用とありますので使用する用途・材質等に合わせて選びましょう。
溶接できる素材は、軟鋼(鉄)・ステンレス・アルミ(アルミはノンガス不可)。

直流半自動溶接機

SAY-120

トランスタイプの半自動溶接機で、出力回路に直流にする半導体が組み込まれています。
直流なのでアークは安定していますが、トランス式なのでインバータ半自動溶接機と比べると重量があります。

インバータ半自動溶接機

SAYI-80N

インバータタイプの半自動溶接機で、直流半自動溶接機と比較して、さらにアークが安定しており、細かい出力調整が可能です。
また、薄物の溶接をするという方にはインバータ半自動溶接機の方が適しています。

半自動溶接機の基本作業はこちら

TIG溶接機

TIG溶接機シーン

TIGは“Tungsten Inert Gas”の略となり、Ar(アルゴン)などの不活性ガス(Inert Gas)をシールドガスとし、タングステン電極棒(Tungsten)を使用した溶接となります。
主にアルゴンガスを使用するので別称「アルゴン溶接」とも言われています。
溶接個所が綺麗なので仕上がりを重要視するものに多く使われています。
必ずアルゴンガスを必要とし、溶接機自体も回路が複雑なため高価でしたので、どちらかというと職人・産業向けに使用されてきました。
ただ、最近では100Vでも使用できる比較的手頃なTIG溶接機も出ており、DIYで使用する方も増えてきています。
溶接できる素材は、主に軟鋼(鉄)・ステンレス・アルミなど。
産業用溶接機では銅やチタンなど、導電性を持つ金属であればほぼ溶接が可能。

直流TIG溶接機

STG-200D

出力電流が直流タイプのTIG溶接機で、主に軟鋼(鉄)・ステンレスの溶接ができます。

交・直流両用TIG溶接機

出力電流が直流または交流が選択できるTIG溶接機で、交流は主にアルミニウムの溶接ができます。

TIG溶接機の基本作業はこちら

スポット溶接機

PSP-15

抵抗溶接の一種で、電極間に2枚の板を挟み、圧力をかけながら短時間で大きな電流を流し溶接します。
2枚の板の間で発生する抵抗熱で溶融させ一体化させます。
主に軟鋼(鉄)・ステンレスの溶接に使用。